永久の誓いからの逃亡
控室に入ろうとすると、待ち構えていた両親達から次から次に質問を投げ掛けられる。

「お姉ちゃん、どこいってたの?」
「何か理由があるのよね?」
「真綾さん、どうしてこんなことしたのか教えて」

耳に入ってくるけど、何も答えられない。
泣いてばかりじゃ駄目なのに。

ちゃんと説明しなきゃ。

そう思うのに頭は全く働かなくて、周りの声がざわめきのように聞こえだす。

「すいません。
少し、真綾と2人で話す時間をください」

凛とした声がすぐ隣から聞こえてきた。

どんなときでも、駿くんの声は意識せずとも私に届く。

私を気遣って、控室に押し掛けてきた人々には、一旦外に出てもらっている。
< 175 / 183 >

この作品をシェア

pagetop