永久の誓いからの逃亡
今だって、私たちの会話は不安定な崖の上でゆらゆらと行われているよう。

どちらかが一歩を違う方へ踏み出せば、全てが崖の下へ落ちていく。
きっともう戻らない。

「あいつ、こんな所まで来てたのか…。
そりゃ不安にもなるよな。
俺なんか、真綾が同窓会に行こうかなって言っただけで拗ねるのに。

俺の周りには、女性が多くいるから、不安にさせるってのはわかってたつもりなんだけどな…」

何か続けようとするけど、そこで止まって、何か考え込んでいる。

同窓会に行こうとして嫉妬されるなんてこともあったな。
結局行ったんだけど、俺も同期と飲みに行って楽しく過ごすから、と言って拗ねていた。

その時私、何て言った?
駿くん以外の男の人に目移りなんてするはずないよって言ったんだよね…。

今思うと、その時の駿くんの不安と今抱えている私の不安は似たようなものなのかもしれない。
不安なのは、私だけじゃなかった。
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