永久の誓いからの逃亡
目的もなく取り敢えず外に出た。
このざわついた気持ちをどつにかしたい。

さっきの女性たち、駿くんの控室に聞き耳を立ててた感じだった。

私を見て、焦ってた。

一体何をしてたんだろう。
私に見られたら、マズイことだったんだろうか。

晴天の下に、チャペルはさっき見た時と同じように真っ白く佇んでいる。
なのに、悲しく見えてくる。

私、あの場所で永遠の愛なんて誓えないよ。

披露宴会場の方を見る。
あと1時間もしたら参列者が続々と到着して、そのうち会場の席は埋められていくんだろう。

駿くんだって、今、あの控室で着替えてるんだろう。

戻らなきゃ。
皆が心配する。

今の不安だって、駿くんに話せばいいじゃない。
絶対に聞いてくれるよ。

私のこの不安を受け止めてくれる。
わかってくれるはず。
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