永久の誓いからの逃亡
「そりゃ、嘘をついたんですから、後ろめたさはありますよ…。

もう、帰ります」

「家まで送るよ」

「け、結構です」

「じゃ、ロビーまで」

「…もう、勝手にしてください」

山道さんに全力で向き合っていたら体力がもたない。
程よく妥協しないと。

ロビーを通り抜け、自動ドアを出る。
ドアが開くと、ほぼ同時に、コンクリートに強く打ち付ける雨音が響いてきた。
他の音が何も聞こえなくなるくらいの大きな音。

うわ、ひどい雨…。

そう夜の空を見上げた瞬間、ピカッと青白く辺りが光った。

やばい、来る。

反射的に身体がきつく強ばる。
そのあと時間差なく、何かが割れるような大きな雷の音が響き渡った。

う…。
思わず抱えていた鞄をぎゅっと抱き締める。
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