永久の誓いからの逃亡
「園川さん?
大丈夫?」

心配そうな声が聞こえる。

「だ、大丈夫です」

「震えてるのに?」

「そんなことな…っ」

その間にも雷は容赦なく落とされる。

反射的に音から離れようと、足が地面を軽く蹴った。

「おっと。

はい、捕まえた」

その逃げ込んだ先が、山道さんの胸の中だった。

でもそんなの気にすることもできないくらい、手も足もガタガタと震えている。

「もう言い訳できないでしょ?
一旦ロビーまで戻ろう」

そう諭され、頷いた。
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