永久の誓いからの逃亡
山道さんに腕を引かれ、ロビーにあるソファーに座らされた。

ぽんぽんと背中を叩かれて、少しずつ落ち着きを取り戻していく。

雷が怖くて動けなくなるなんて恥ずかしい。

どうしても駄目なんだ。
天気予報では雷が鳴るなんて言ってなかったのに。

でも、これ以上迷惑はかけられない。

「ありがとうございます。
もう大丈夫です」

「まーたそんなこと言ってるよ、この子。

雷、さっきよりもひどくなってる。
雨も一晩中降るらしいし。

俺の部屋に泊まって行ったら?」

どさくさに紛れてこの人は…。

「それはちょっと」

山道さんと同じ部屋に泊まるって、そんな危険なことはできない。
自意識過剰だと思われても、ここは乗る訳にはいかない。
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