永久の誓いからの逃亡
「忙しいとかではなくてですね…」

「とりあえず、携帯の番号教えてもらえませんか?

なんなら、俺の連絡先渡しておくんで」

あれあれ?

「困ります…」

カウンター上で、渡された名刺を押し返すも、しつこく押してくる。

ど、ど、どうしよう。

「園川さん」

どうすることもできずにいた名刺がぱっと奪われた。
気がつけばヒラヒラと床に投げ捨てられている。

あ…。
名刺の行方から視線を戻すと、しつこく誘ってくる男性は、肩で追いやられ、代わりに目の前には別の男性が立っていた。

「や、山道さん…!」

追いやられた男性は、何だよという目で山道さんを睨んでいる。

「今、俺が喋ってたんですけど」

「園川さんに渡さなきゃいけないものがあったんだよ」

完全に無視してる…。

え、ちょっと、このまま喧嘩なんてことにならないよね?

もう、どうしていいかわかんない。
< 49 / 183 >

この作品をシェア

pagetop