永久の誓いからの逃亡
「山道さん。

昨日のことは誰にも言わないでいただきたいのですが」

こそっと、山道さんにだけに聞こえる声で言う。

「昨日のことってどれ?

同じベットで寝たこと?
雷が恐いこと?
それとも、キスしたこと?」

同じように小声で返してくれるけど、妙に色っぽく言うのはなんで!?

「全部です!
お願いします」

「んー…、じゃ、今度ご飯行こう」

「はい?」

「これ、俺の連絡先。
ちゃんと連絡してよ。
今日中にかかってこなかったら…、全部バラそっかな」

「…」

ここにきてそんな脅しをかけてくるの?
せっかく今、先輩に気づかれてなくて胸を撫で下ろしたらところなのに。

「…わかりました。
連絡させていただきます」

渋々そう答えざるをえなかった
ただ、丁寧に、他人行儀に返すことだけが、私にできる唯一の抵抗だった。
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