永久の誓いからの逃亡
この人、お酒飲んでるんだっけ?
と思ったけど、初めに山道さんは言っていた。
帰りも車で送るから、俺は飲まないよって。

まぁ、お酒が入ってなくてもこういうことを言いそうではあるけど…。

「ど、どういうつもりなんですか?

からかってるなら、やめてください。
反応に困るので…」

「からかってるんじゃないよ。
本気だよ」

自分からどういうつもりだと聞いておきながら、壁に直面した感じ。
その思いが本気か本気じゃないかなんて、本人以外にはわからないんだもん。
私にできるのは、それを信じられるかどうかってことだけ。

「そう、ですか…」

「疑ってるでしょ?

園川さんが俺に良い印象を持ってないのはなんとなくわかってるけど、それでも俺を見て欲しいんだよね。

この間の夜、俺がどれだけ男の欲求と闘ってたか知らないでしょ?」

男の欲求…?

そんなの…、って、え?
今から何の話をするつもり?

まさかの話の展開にひとり動揺する。
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