永久の誓いからの逃亡
「それじゃ、今度一緒に婚姻届に名前を書こう」

「はい」

最後にそう約束をして、私は家へと辿り着いた。

そういえば、はっきりと好きだって言われたのは、今日が初めてだ。

思い出すと身体全体が熱くなる。

山道さんのことを好きだと返せなかった私に対して、好きだと言ってくれるなんて…。

どうしよう。
まだ受け止めきれないけど、きゅんときてしまったこの感情は無視できない。

ただし、チクッとした胸の痛みを奥に押し込めたことにも気づいてる。

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