永久の誓いからの逃亡
「今日、うちに泊まり来る?」

泊まり!?

ある日のこと。
あまりに当然のことのように切り出した駿くんにも驚きつつ、首を横に振った。

「ご、ごめんなさい。
明日早いから…」

「うちから会社行けばいいのに」

「まぁ…。
じゃ、そのうち、ということで…」

駿くんの家という場所。
すぐ傍に駿くんがいるという状況。
ドキドキしない訳がない!

ようやく隣を歩くのに慣れてきたのに。
お泊まりなんてレベルが高すぎる。

「ふーん」

あ、拗ねてる。

「そのうちって、いつだろうなー。
1週間以内かなー」

全然こちらを見ずに、天井を仰ぎながら言っている。

これは、めちゃくちゃ拗ねてる。

…まぁ、同棲の話が出てるんだから、もっと一緒に過ごすことに身体を慣らしていかなきゃいけないんだろうとは思うよ。
けど、心の準備が整わないの!

…なんて言ってたら、いつまで経っても踏み出せないままなんだろうけど。
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