永久の誓いからの逃亡
「付き合ってる人のこと、お父さんには話さないよ。

大学はどこを出てるのかとか、仕事は何をしてるんだとか、そんなのばっかり気にするんだもん」

「気にして当然だろ!
で、いつから付き合ってたんだ」

上手くかわせたと思ったのに。
また同じ質問をしてくるなんて。

もう正直に答えるしかない。

「知り合ったのが今年の4月。
私が働いてるビルに彼が来るようになったのがきっかけ。
それで、色々あって、結婚の約束をしたの」

「まさか、交際期間0日ってことか?」

「そうよ」

お父さんが怒りをぐっと堪えている。
握った拳がぷるぷる震えてるのが見える。

大噴火が起こるのも時間の問題だ。

「最近はそういうカップルも多いみたいね。
それで上手くいくならいいじゃない。
ね、お父さん」

度々のお母さんのフォローで、なんとか落ち着いて話し合いができている。
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