永久の誓いからの逃亡
「真綾から何も聞いてないのか?
25歳になるまでに結婚相手がいなかったら、地元に戻って、俺の部下を相手にって決めてたんだ。

あいつは、将来有望でなかなか骨のある男だぞ。
真綾のことも気に入ってくれてるしな」

えっ、と短い声が駿くんから聞こえる。

心が痛む。

「なのに10月に誕生日を迎えたと思ったら、急に結婚するだの言い出して。
それから連絡なしだ。

俺に反抗したくて、手近な男を用意したんだろ」

さっきから黙って聞いておけば、駿くんのことを貶すようなことを言って…!

「違うってば!」

「違うことないだろ!
後ろめたさがあったから、父さんとの約束を黙ったままにしてたんだろ。
どうせ、好きでもないに決まってる」

なんで駿くんがいる前でそんなこと言うの?
思いっきり殴ってやりたいんだけど!
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