永久の誓いからの逃亡
「凄いな。
うちの娘をよろしく頼む」

ここまで潔く掌を返されると、もう何も言えない。

駿くんも苦笑いで返している。

そして、部屋へ戻ったお母さんは一言。

「お父さんって、ほんっっとバカよね!」

お母さんが言うと、重みが違う。

さっきまで絶対許さないって腹を立ててた自分が馬鹿らしく思えてくる。

なにはともあれ、結婚は許してもらえた。

けど…。
何度も駿くんの方をチラッと見る。

両親がいる場では結婚の話はなかったことに、なんて言いにくいから、帰ったあと…、っていうのも十分考えられる。
覚悟はしておかないと。
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