永久の誓いからの逃亡
安心する。
こんな私にまだ優しくしてくれる。

「俺のこと、すっげー褒めてくれてたね。
ストイックとか、行動力があるとか、出会ってから楽しいと思うことが増えたとか。

さすがに照れたなー」

思い出して顔が赤くなる。

「ちが、あれは…」

「違うの?」

顔を上げさせられ、至近距離で目が合う。

「違わない」

そこに関しては違わないけど、問題はそのあと。
好きっていうのには自信がない。

「そっか。よかった。
大丈夫。
真綾は俺のことそこそこ好きになってるよ」

え?
心を読まれた?
それくらい悩んでるのが表情に出てた?

「そうなの…?」

「最初の頃に比べたら、俺に向ける目が優しくなったし、声も柔らかい。
2人でいると、自然と距離が近づいてるでしょ。それに、俺が触れることに抵抗を示さなくなってくれた。

仕事中だって、俺のこと考えてる時間が増えたんじゃない?」

全てが当てはまる。
仕事中だけじゃない。
気がつけば、ぼんやりと駿くんのことを考えてる。

そっか。
私、駿くんに恋してるんだ。
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