七瀬クンとの恋愛事情
「会社に必要な物、ですか? そうですねぇ、
人材ですかね」
「人材? 技術者ってこと?」
「いえ、容量のいい人材です。例えば脇谷くんみたいな仕事に無駄のない人材があと5、6人いたら効率よく仕事が回るのにって思います」
私は昔から思った事をハッキリ言ってしまう性格だった
「脇谷くんをもう5、6人? 面白い発想だけど、彼はあまりコミニケーションが得意ではないから社内が大変ではないかな?」
「確かにそうですね、でもその辺のフォローは私をもう2人と、営業の高科さんをあと1人加えれば完璧です」
全くの理想論で、あり得ないし現実味のない話を勝手に熱弁してしまった
「ぷっ、ハハハッ面白いね、松原さんは」
肩を揺らしながら涙目になる程笑う宗馬社長に、しまったやってしまったと思った
「すみませんっ!!冗談ですっ
あっいや、真剣に答えたつもりなんですけど、おかしな事言いました」
『私もあと2人』って何社長にアピっているんだ、話が完全に支離滅裂だろっ
「いや、参考になったよ。なんだか考え込んでいたことが明確になった気がするよ。
これからも偶にこうして話し相手になってもらえるかい?」
「えっ、あ、はい喜んでっ」