七瀬クンとの恋愛事情
仕事に没頭するだけじゃダメだと、奮起して自分を磨いてみた時もあった
しかしこの低身長は、
いくら女を磨いても変わらない
なるべく大人っぽいスーツに身を包んで、ダーク系の色ばかりの服選んで
童顔だって、いろいろ化粧を使って試したさ
けど
やればやるほど魔女みたいになるからやめた
髪の毛を必要以上に伸ばしたりウェーブかけたり、アレンジしたり
両目1.2なのに流行りの眼鏡をかけてみたり
しかし、どれも周りから不評で、
結局もとからよく着ていたラフなワンピースにナチュラルメイク
髪はストレートで肩につく程度のボブカットだけど、
見た目バストはAカップと判断されるが、これでもちゃんとCカップはあるんだ
それでも、
そんな中で、最近婚活パーティーで出会った
パリッとスーツを着た外資系の彼とは、意気投合してデートを重ねたのに
で、あゝああ…………
「もう、思い出したくない」
いつからこんなにポンコツ野郎になったんだろう
「もぅ、ちゃんとした恋がしたいよぉ……」
「シます?俺と」
へっ……?
低いその声が私の耳に息を掛ける
「あ…………え?」
なんとなく重たい瞼を押し上げて、いつの間にか突っ伏していたテーブルから顔を上げる
辺りを見回せば、すでにお開きになった宴会後
「はっ、あれ?」
私…………寝てた?
「みんな二次会にカラオケ行きましたよ」
私の横で胡座かいてテーブルに肘つけた七瀬くんがそこにいた