七瀬クンとの恋愛事情
だから
今更そんな私の最近のゴシップ失恋話を気にするなんて
「私にだってそれなりに色々あるって事ですから」
何枚かの資料をシュレッダーにかけながら宗馬社長にだけ聞こえるように言った
「色々?」
「はい、お構いなく」
相変わらずの、私の物言いに社長は呆れて複雑な表情をしてるのが分かる
「松原ーっ、後こっち手伝ってくれ」
タイミングよく脇谷くんから声がかかった
「あ、わかった。こっちはもう終わるから」
いつも思う
これ以上彼を困らせたくはないのに、でてくる言葉は吐いて捨てるようなことばかり
「では、失礼します」
社長に対して丁寧に一礼してその場を離れて、脇谷くんのところへ小走りで向かった
「悪いな、あとファイル片すだけだから」
何にしても、あの場のタイミングで良かった
「このファイルね」
「………なぁ」
「ん?」
「社長なんだって?」
さっきの私の近くにいた社長の存在気がついてたんだ
「んーー、別にただの世間話」
「………ふぅん」
人にファイルの片付けをやらせておいて、自分は手が止まってるぞ脇谷くん
社長と話しができるようになったのは
あれから随分と時間が経ったことと、自分がこの会社の社員だと、
元カレだが雇われている身だと自覚しているからだ