七瀬クンとの恋愛事情


少しお酒が弱いらしく、加納さんの頰はすっかり赤みを帯びている

「高科さんも男の一人暮らしは大変じゃないですか?」

私の隣で高科課長がコップのビールを飲み干すと、そこに向かいから瓶ビールを持って注ぎ、加納さんの追及が進む

「僕も家事は一通り出来ますよ、一人暮らしは長かったですから」

「あらっステキ、じゃあこの際松原さんとくっついちゃったら丁度いいんじゃない?」


おやおや、また滅多な事を………

もう2人の男性らも同じことを囃し立てるように、ヤンヤと言い出した

「実は僕としてもそのつもりなんですよ」

「は?」

グラスに口つけたまま顔を上げると、隣からいつも通りわさわさと頭を撫でられた

「何言ってんですか、もうっ」

全く、いつもながら人で遊び言ばかり………



時間もそれぞれのほろ酔いもいい感じの状態で、会はお開きとなった

「また飲みましょね〜」と、ご機嫌のまま加納さん達とタクシー乗り場で別れ、
おなじみの3人となった


「よし、次行くか」

そう言い出した高科課長に、いつもなら帰りたがる脇谷くんも珍しく付き合うらしい

「いいっスよ、今日は遅くなる事言ってあるし、どこ行きます?」

「倫ちゃんもまだ飲めるよな」
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