七瀬クンとの恋愛事情
話の流れからここは冷静にならなくては、と無理にでも引きつった笑顔を見せる
精一杯な強がりだ
「やっぱりお茶、入れるね」
その場を離れようとする私を制するように七瀬くんに腕を掴まれた
「そうゆう事ってどうゆうこと?もしかして
俺と小田さんに何かあったって思ってる?」
「…………っ」
そんな風に言われると、疑ってる私が馬鹿みたいで、目を背け口を尖らせる
「なにか、あったから上着にネクタイ忘れてきたんでしょっ?
それにあの日、なんか服が乱れてたし」
それで女性の部屋に2時間もいて何もなかったって?
何をしてたかなんて、想像したくないけど
「………ぷっ」
ここでいきなり小田さんが私たちを見てクスクスと笑い出しながら口を挟んできた
「まぁ、私は随分助かったけど」
「…………っ」
そんな小田さんを見て頭を掻きながら溜め息をついた七瀬くん
「そうゆう言い方するから勘違いするだよ、ちょっとタチが悪いですよ小田さん」
なによ、
なんだかまるで馬鹿にされてるみたいじゃないっ
「なんなの………っ?何か私がおかしい?」
ずっと笑いを堪えている小田さんに、だんだん腹がたってきた
「ううん、ごめんなさい。私そろそろ帰らなきゃ、旦那待ってるし」
「………へっ?」
「あとは2人で話し合ってよ」と、頭を抱える七瀬くんを他所にそそくさと帰っていった