七瀬クンとの恋愛事情
聞くも何も、この体勢を崩してくれないままじゃ、何も反論出来ない
仕方なく彼の胸の中で頭をコクコクと下げた
「まず、あの隣の小田さんの部屋は仕事場だって話したでしょ。自宅は駅近くのタワーマンションだし、もちろん旦那付きでね
それに、あの日は2人っきりとかじゃなくて、他にもアシスタントさんがいたし」
「あ、」
2人っきりじゃなかったんだ………
「何をしてたかって言うと、いわゆる被写体になってた」
「被写体?」
イマイチ意味がわからない
「漫画描いてるその人物モデルだよ。
ポーズとって写真撮ってたんだ」
「………モデルって、脱いだの?」」
「まぁ、身体のラインが重要とかでワイシャツのボタン全開まで………」
確かに、七瀬くんは背が高くて細身で綺麗な身体してるって言ってたから
「………………」
「今、想像した?ってか倫子さんいつも見てるし」
「〜〜〜〜っ」
この密着状態からそれ言われても、顔を背けられない
「なんで………?」
「ん?」
「なんで何にも教えてくれなかったの?全部私のことなのに」
豊田さんのことで完全に七瀬くんを巻き込んでしまったのは私なのに、その私が何も知らないうちに解決されてたなんて………