七瀬クンとの恋愛事情
なんだか私がこのお見合いを肯定してるみたいで、当然納得していないみたい
「どうせ断るならハッキリ会って断った方がスッキリするでしょ、そうゆうのって」
自分にも言い聞かせるようにそう言って話を終わらせ、目の前の彼の視線から逃げるように食事の箸を勧めた
「じゃあもし、これが逆の立場だったら
倫子さんならどうする?」
「えっ?」
つい顔を上げると、逆に食事を再開し始める七瀬くん
食べながらチラリと視線だけ向けてきた
逆に………?
「………………」
まるで、その答えで私の感情を試しているようだった
そんな事、考えるだけ無駄だと思うのに
「ただの業務命令だって言ってるでしょ。
仕事の延長だから変な事言わないでよ」
素っ気なくそう言っておいて、何が後ろめたいのか段々声が小さくなってしまう
そう、これは仕事の余興で仕方のない業務
ただの打ち合わせが延長した食事会みたいなものだ。
向こうだってこっちが断ってくる事くらいの想定はしてるはずだし
そして、なにより仕事優先、このプロジェクトにはこれからしっかり集中してるいかなければならないのだ
「そんな事より、明日から通常業務と併用して企画書作りに入るから、忙しくなるからね」
ここは気持ちを切り替えて、私は食べ終わった食器をサッサと片しキッチンへと、逃げるように会話を終わらせた