七瀬クンとの恋愛事情
仕事の延長でお見合いってなんだよ…
「それでどうして倫子さんなんですか?」
ピンポイントで倫子さんを指名してくる辺り、たぶんそこ意図があるとは思っていたが、まさか婚活パーティーで目を付けられていたなんて
しかも余計な事をまたあの営業課長が話したせいだって?!
どうせ断るならハッキリ会って断った方が、
なんて
業務の一環での見合いだろうが、そんなの一対一の合コンと何ら変わりはないだろ!?
「じゃあもし、これが逆の立場だったら
倫子さんならどうする?」
「………………」
そう言ったものの、期待した答えなんて返ってくるはずもなく自分の態度はあまりに子供じみてて、
その反応を食べながらチラリと視線だけ向けた
「ただの業務命令だって言ってるでしょ。
仕事の延長だから変な事言わないでよ……」
早々と話を切り上げられた挙句に
「そんな事より、明日から通常業務と併用して企画書作りに入るから、忙しくなるからね」
彼女は背を向けたまま俺にそう言った
「そんな事………か」
これじゃあまるで俺が駄々こねてるだけみたいじゃねぇか
彼女は、いつもそうだ
会社ではさり気なく俺を避けるように取り付く隙もない
仕事はソツなくこなし信頼も信用も厚い、それは彼女の業績の姿勢であり俺としても本当に尊敬出来る。
それでいて見た目の可愛さとのギャップが周りの男どもに密かに受けがいいからただでさえ心配なに…
俺だけが知っている彼女の顔を、どんな状況にしろ他の男に想像させることすら腹が立つというのに
「お、」
「あ、脇谷主任珍しいっスね」
たまたま山下さんと来たお昼で、長テーブルの先に脇谷主任が食事をしていた
会社近くの食券制の定食屋で、6人掛けに相席は当たり前の結構広い大衆食堂だ