七瀬クンとの恋愛事情
「あ、サンキューな」
すぐに山下さんに視線を向けて、さっきまでの話をストップさせた主任に、
山下さんはご丁寧に俺の分まで3つコップを持ってテーブルに置いた
「何の話っスか?」
「ん?いや、女子たちの派遣と事務の抗争の話だ、なっ」
「え?ああ、はい…」
山下さんに対してこの切り返し、咄嗟にそんな嘘を思いつくこの人の事だ、バラすつもりはないだろう
貰った水を一気に飲み干して、俺は席を立った
「すみません、先に行きます」
胸の中でザワザワと嫌な気分がする
定食屋を出てすぐに会社へと戻った
別に脇谷主任が俺と倫子さんとの関係に気がついていたとしても、なんの問題はない
「……………」
いや、今はそんな事はまだどうでもいい
とにかくどうゆう状況にしろアレを倫子さんに見られていたんなら、すぐに誤解を解かないと
いや、誤解と言うか謝罪だな
どう考えてもそんなのは浮気にしか思えないだろう
でも、もし見られていなかったら墓穴を掘るだけだ
考え込みながら一旦足を止めた
戻って脇谷主任に倫子さんも見ていたか聞いてみようかと振り返り、
でもそんな事を聞いた訳はどうする?と自問自答する
とりあえず部署に帰ると、まだ昼の時間だと言うのに倫子さんのデスクのブースに派遣組の名取と安藤がいた
「どうゆう事ですか?!納得いきませんっ」