七瀬クンとの恋愛事情
「え、ちょっ……」
一件落着とばかりにバタバタとファイルの束を持って行く
「後は頼んだから七瀬くん」
この派遣組の2人残して、まだ昼の時間は少し残っているというのに
「忙しい人ね、あんなんじゃいくらキャリアがあっても結婚は無理でしょ?」
「でも、お見合い相手はお得意様のエリートなんですよね、上手くいったらやっぱり仕事は辞めちゃうんじゃないんですか?」
こんな2人にももうお見合いの相手についての話まで出回っているんだな
「あの人がそんなお見合いなんて受けるはずないだろ」
2人の会話につい口をだす
「でも主任もう30ですよね、付き合ってる人がいないなら普通に飛び付く話ですよね、この条件なら」
「もしかして付き合っている人がいるかもしれないだろ?」
現に俺と付き合っている
「…………あー!」
ついムキになってそう言ったが、逆に2人が目を光らせて見上げてきた
「高科課長だ」
「は?」
「そうそう、高科課長の事ですよね」
何言ってんだ?なんであいつが出てくる?!
「だって、お見合いの話が出て一番焦ってるのは高科課長だもん」
「ねー、昨日だってお昼誘いに来てたしね」
「…………」
その後
倫子さん1人になるのを見張ってみれば目を向けてくるのはそばでぴったりとアシスタントで働く名取だけ
忙しい仕事モードの倫子さんには本当に仕事以外話しかける事が出来ないまま
この案件が始まってからと言うもの、忙しくて気がつけば彼女の部屋に足を向ける頻度が少なくなっていた
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