七瀬クンとの恋愛事情
マンションを少し過ぎたところで、タクシーを止めてもらった
「倫子さん?」
「あ、七瀬くん今日はいろいろごめんね。お疲れ様」
いっぱいいっぱいの笑顔をみせた
「…………お疲れ様です」
深く深呼吸してタクシーを降りた
私のマンションの前にいるのは、婚活パーティーで知り合って最近付き合っていた外資系の彼
別れた後は携帯も着信拒否して、考えないようにしていた
出来ればもう、会いたくないと思っていたのに
「…………豊田さん」
マンション正面の階段入り口前にいるその人に声を掛けると、真っ直ぐ私に駆け寄ってきた
「どこ行ってたんだよ?こんな遅くまで」
近づいてきた彼から咄嗟に身体を引いた
「どうしてここに………?」
私は自分のマンションを彼にまだ教えていなかったはず、もちろん住所も
「君が電話に出てくれないから、僕は別れたつもりはないのに………」
やっぱりダメだ
初めはすごく真面目そうで仕事もしっかりしてるし、大人な豊田さんにこの人ならと思ってお付き合いを始めたんだけど…………
気になったのは、付き合ってから始まった彼からの一日20件くらいのメール