七瀬クンとの恋愛事情
「何時に帰る?部屋で待ってるから」
「あーー、遅いと思うよ」
七瀬くんだって忙しいはずだし
何より私はとことん仕事の話をするつもりなのだから
顔が埋まったまま私の頭の後ろにある手が少し緩んだため顔を上げると、七瀬くんの表情を見る前に屈んできた顔が首筋に落ちた
「あ、ちょっ?!」
強く吸われるこの感覚は………!?
「マーキング完了〜」
頭を上げた七瀬くんがキスマークを付けたであろう場所を確認するように首筋を指でなぞって
ペロリと舌を出し私に満足気に言う
なんて事を………
今日はスカーフなんて持っていないし、少し首にかかる髪の毛じゃあ隠れない場所に、バンドエイドなんてつけたら余計に目立つし、くっきりつくくらい強くすわれた
「最悪、言っとくけど恥をかくのは私なんだからね!!」
思いっきりその胸を押して突き放した
「これなら向こうだって、すぐ諦めるだろ?」
お見合い断るのにキスマークつけてくるバカがどこにいる?!
もう少しやり方ってもんがあるだろう
「相手に失礼で怒らせたらどうするのよ!?」
「相手の頭ん中が大人なら見て見ぬ振りで済むはずだろ?」
やっぱりこうゆう考えは本当に子供だ
仕方ない、とりあえずファンデーションで隠しておくしかない
急いでそこから出ようとすると、逆に誰かがトイレに入ってきた
ここは男子トイレだ、人がいたら出られない