七瀬クンとの恋愛事情
そんな中で人気のある豊田さんに話しかけられ、分け入る女子達をスマートにシャットアウトしてくれて
正直気分が良かったのは間違いなかった
「私のプロフィールですか?」
そんな大した事なんか書いてなかったと思うが
「この歳だと20代前半の女性とはさすがに話が合わないし、仕事ばかりしてきた人間ですから、出来ればしっかりと仕事をもっている人を希望していたんです。その点で、松原さんは最近上場の会社で、しかも主任までなさってるじゃないですか」
「あ、ええ…まぁ」
「その上で見た目とのギャップに、僕は他の女性が目に入らなったんです」
ギャップ、とは…いわゆるキャリアっぽくないって事ですか?
「…………ど、どうも」
な、なんかちょっと空気が…………
居た堪れない感じなんですけど
段々鈴木さんの止まらない話の方向が一方的になってきてて、どこでこのお見合いを断る方向に持っていったらいいのかと思うと、
食事も喉を通らない
「でも、こうして松原さんと会社を通してまた会える機会を、僕は運命ではないかと思うんですよ」
「えっ?」
待って待って、運命とか言っちゃってるし!?
「あ、いや…あのでも……」
「前の方とは縁がなかったということで、お互いが婚活中じゃないですか、これからは先を見据えてのお付き合いをしましょうっ松原さん」