七瀬クンとの恋愛事情
「ちょっ、ちょっと待って下さい鈴木さんっ」
話を都合良く進めようとする鈴木さんに、両手を出してその勢いの流れを止めるようにストップをかける
確かに婚活パーティーに参加していて、豊田さんとの事はなしになったけど、
だからと言って単なる条件だけで一方的にお見合いを成立させていくのはおかしいって!
ここはちゃんと反論しておかなくては
私はあくまで仕事の延長で来ている事を
「すみません、今日はプロジェクトの顔合わせとしてお会いして、これから先気まずいことがないようにこの場に来ただけで、私はそうゆうつもりはないんです」
とにかく一旦箸を置き、そう言って深々と頭を下げた
「ああ、それだったら問題ありません」
「え?」
「仕事上周りに気を使うことになるのは分かります。だから松原さん自体がこの仕事から外れてもらえれば気にならないでしょ?」
顔を上げた私にニッコリと笑顔を見せる
「は…?」
「別に、松原さんだけが社員じゃないでしょ?他の方に代わっていただいてもまだ大丈夫だと………」
「誰れがそんな?!」
「そちらの専務さんが、お会いした時に」
「………専務が」
あの狸ジジイ………
「僕はこうして松原さんとのお見合いがメインですから、これから会社と気兼ねなく会えればいいでしょ?」