七瀬クンとの恋愛事情

「結婚って………」

私がいつプライベートまで鈴木さんと会うと?

「私は、お見合いをするためにこのプロジェクトに参加したわけじゃありませんっ」


バタンッ




一方的なこの状況に反撃をするために身をのりだしてハッキリ断ろうとしたまさにその時、
突然この個室の襖が開けられ横槍が入った

「失礼しますっ」


開いた襖から私たちを見下ろし立ったまま、深々と頭を下げる高科課長


「え………課長?」


お見合いの場所や時間は教えたが、まさかこの場所にこのタイミングで顔を出すためだとは思ってなかった




「高科さんじゃないですか、一体どうしたんですか?」

首を傾げる鈴木さんに対して課長は、入ってくるなりすぐに私の隣へ座り、いきなり手を取られた

………ん?

「申し訳ありません鈴木さん、実は松原倫子は今俺と付き合ってるんですっ」

握られたままの手を鈴木さんへ指し示して、
とんでもないことを断言する様に言い放った


……………はぁっ?!


ここから、さすがに声にならなかった

「え?」

驚いているのは私だけじゃなく、鈴木さんもだ


「このお見合いの話が出てからなんです。前々から彼女に僕は好意を持っていまして」

不思議な会話が目の前で飛び出していて、口を挟めない


ちょっと待って?何これ



「ここで貴方とお見合いをさせるくらいなら俺がちゃんと告って………で、それが晴れて叶いまして付き合うことになったんです」

私の知る限りでは告らた記憶すらないんですけど?


「付き合うって、何を勝手な事を…そんな、それを本当に松原さんもOKしたんですか?!」

疑ぐるような目で見つめられ、頰が思わず引きつった


これ、どうすりゃいいの?


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