七瀬クンとの恋愛事情
「でも私と高科課長が付き合ってるって言う『嘘』はどうするんですか?」
このままじゃあ、そう思っている鈴木さんから当然のようにあの専務に話がいってしまう
「………なにもそこまでお芝居しなくてもよかったんじゃあ…?」
そう言う私の顔色を伺うように、横目でチラリと後ろを向いた
「そんな事よりなんか食べに行かないか?ほとんど食事出来なかっただろ?」
………そんな事よりって
「すみません、やっぱり今から戻って訂正してきます」
この訳の分からない状況をこれなかどうしようか考えなくては
高科課長から身体の方向を変え向かうと、慌てて肩を掴まれた
「倫ちゃんっ、わかったちゃんと話そう」
「…………」
お腹はすいてないので、結局近くのファミリーレストランに入った
お互いコーヒーを頼みながら、ケーキでも食べる?と聞く高科課長に首を振った
大口の仕事を依頼する会社との親睦交流で余興的なお見合いだったはずなのに、
やらされる私の方はサラリーマン立場を盾にされたセクハラだと思いながらも我慢して従っただけ
言ってみれば、私はだだの接待のつもりだった