七瀬クンとの恋愛事情

「初めから鈴木さんが倫ちゃんの事ばかり聞いてくるから少しおかしいと思ってたんだ」


「え…？」



課長が言うには、作成した資料にあった私の名前を見つけた時から、鈴木さんは会社での私の事を色々聞いてきたらしい

「どんな風に言ったんですか？」

「……仕事熱心でよく気の回るいい子だって言ったさ、悪くなんて言う訳ないだろ」

その後、専務お得意の接待により仕事の方向性がトントン拍子に決まっていったらしい

たぶんその時お見合いの話が持ち上がったんだろう

「若い割には、あの会社で結構な影響力のある人なんだよあの鈴木さんって人は。
強引なやり口でも有名で、なかなか取り引きの成立は難しいって言われていたのに………」


「専務がお見合いを盾にしたって……ことですか？」

「倫ちゃんは余程鈴木さんに気に入られてたみたいだよね」


いやいや、そこまで執着される覚えがない


「…………」


だけど、ふと思い出してしまう、あの豊田さんの言葉

『君みたいな奴は、マニアじゃなきゃ受け入れられないだろ』

思わず背筋がゾッとする
あの一方的な話の進め方は、ある意味豊田さんに通じるものがある


私だって
好きで底身長の童顔やってる訳じゃない