七瀬クンとの恋愛事情
私の背中から彼の体温がスッと離れた
「なんでここで高科課長が出てくるの?」
「え、あ………それは何と言うか、コトの成り行き上ね」
「高科課長も始めから同席してたってこと?」
声のトーンが変わって、顔を上げ彼を見れば
明らかに不機嫌に眉をひそめている
「いや、違うくて………」
………うぅ
とりあえず突然お見合いに乱入してきた高科課長との詳しい事の成り行きを端折って話した
「だからお見合いを断りやすくしてくれようとした口実でそうゆう状況になっただけで………」
最終的には断った形になったから、今後はこの状況をどう解決していくかで
「じゃあ今まで一緒にいたんだ」
「まあ、これからの対応の事もあるし…」
「そんなのあの人が勝手にやった事だろ?」
もう離れた腕が、お互い立ちっぱなしのままその間に距離を置いた
「でも本当に課長がいなかったら上手く対処出来なかったというか……」
なんか、まるで言い訳をしているみたいだけど、一体何をそんなに怒っているのか?
「で、堂々とこれから課長と付き合うわけだ」
「なんでそうなるのよ」
上から尋問されてるみたいに、見下された口調で言うからなんだかムッとした
「向こうはそのつもりなんじゃないんですか?」
「だからそれは……」