七瀬クンとの恋愛事情
嘘の恋人宣言が社内の噂に?!七瀬との事バラされたくなけれは別れてください


「おはようございます、松原主任。今日は早かったんですね〜」


朝から1オクターブ高い名取さんの声が、すでに始業まであと5分だという時間帯に響いた

部署内の奥のブースでいつもより早くからPCをたち上げていたから、他の社員たちが出社してきたのも知っていたが、
確か15分くらい前に出社していたはずの名取さんは今のいままでどこにいたんだ?


「ごめんね、朝から執務室に呼ばれてるの。だからこの資料のコピーお願いしておいていい?」


「執務室って、昨日のお見合いの話ですか?」


朝から彼女は更にハイテンションな甲高い声をあげた

「え、あー………」

確かに、それで呼ばれたのかもしれないが


「私もう聞いちゃったんですよ、昨日のドラマチックな出来事」

「?」

嬉しそうに、渡した資料を盾に私の耳元に口を寄せてきた


「お見合い、高科営業課長が乱入して主任を連れ出したそうじゃないですかっ
さすが、その歳にしてモテ期到来ですね」

そう言って顔を見合わせウインクをかまされた

「はっ?!」


……何故それをっと声に出す前に立ち上がると

もうすぐ仕事が始まる時間だと言うのに、PCも立ち上げず噂話に集まる社員達の輪から
その好奇な視線が一斉に向けられた

「ちょっ……と、待ってなんで………?」

一瞬ザワリッとしたその輪の視線が今度は部署の入り口の方向へ移る



「倫ちゃんも、呼ばれていれてるだろ?」


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