七瀬クンとの恋愛事情


付き合っているなんて言った事は、確かに偽装に変わりないが、今それを否定する義理はない


「あ、確かにそれもそうだね………すまない」

あなたは昔、アッサリ私を裏切っておきながら、すぐにそうやって謝る
ちょっと意地悪な言い方しただけのに


申し訳なさげに眉を下げた社長の口元に、思わず右手の指先を突き出し向けた


「すぐ簡単に謝らないで下さい。
私はただあんまりプライベートに立ち入られたくないだけですから。今回の事はあくまで仕事だったと認識していますから、私にも責任はあります。」

私は、社長との昔からの距離になんとか線引きを心掛けたいだけ



こんな私たちのやり取りを少し離れた場所で遠巻きに見ていた二人にまだ気づいていなかった

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