七瀬クンとの恋愛事情

「俺は、倫ちゃんがお前の彼女だって認めてない」

別に、課長の許可がいる事じゃないだろう

「だからって、勝手に自分の彼女に仕立て上げないでもらえますか?
実際付き合っているのは俺ですから」

「…………っ」


昨日、お見合いに課長が乱入して連れ出した話は倫子さんから聞いている
そのおかげで実は粘着体質になりそうな奴とのお見合いが壊れたって事も、でも


それがなんで早くも朝から社内に知れ渡っているのか

しかも、二人がすでに前から付き合っていて、公認の仲にされているのが気に入らない


微妙な距離感で牽制し合いながら、視線はお互いに社長たちを見守っている


「だったらなんでお前が彼女のお見合いを事前に止められなかったんだ?七瀬」

少し沈黙した後、そう課長が口を開いた

「自分の彼女をお見合いに行かせて、クビにキスマーク付けて主張するなんざふざけてるし、
俺だったら閉じ込めてでも、お見合いなんて絶対させないがなっ」


「倫子さんの恋人は課長じゃないですから。
それに、彼女がお見合いに行ったのはあくまで業務命令だったはずです。それを俺が止められますか?」

出来るだけ冷静に答えた
相手より身長が高い分、表情は隠せる
こうゆう場合、感情的にになった方が負けだ

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