七瀬クンとの恋愛事情

「……………」

「ああ、あのね……みっともなかったよね。
だっ大丈夫だから、ごめんね迷惑かけて」


なんとか頰を上げて申し訳なく謝ったけど、首を傾けてじっと真っ直ぐ見透かされているみたいに見られると、思わず顔を伏せた

その頭の上から大きな溜め息をつかれ、そっと彼の手のひらが私の震えが止まらない手を包み込んだ


「なに、あれ? ストーカー?」


「……………」

腰が引けている私を手で立ち上げてくれた七瀬くんが、すぐ傍にある豊田さんが倒れた時に落として忘れていった紙袋に気がついて

それを拾い上げると、中身を見て眉を顰めた


「とりあえず、倫子さんの部屋どこ?」


「えっ? あ、ここの3階だけど………」


「じゃあ行こうか」

「え、えっ?!」


手を繋がれたまま、私の目の前に豊田さんが忘れていった紙袋の中身を取りだした

「あの男が持ってた物、倫子さんが使う物じゃないよね」

「こ………っ!?」

それを見て、さらに身震いがした

「ったく、こんな物持っててどっちが常識ないんだか」


紙袋の中身はセーラー服や体操服一式、しかも所々破れている。その他には顔を背けたくなるようなオトナのおも○ゃが

「やだっ!!」


咄嗟に紙袋を突破らい顔を逸らした

いったいあの人は、なにするつもりでこんな物持って来たんだ

そう思うと、身震いが止まらない
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