七瀬クンとの恋愛事情


それはそうなんだけど、暫くはいちいち周りに監視されてるみたいだから嫌なんだ

思わず溜め息が出る

………こっちもこっちで頭が痛い

実際、課長からの告白の返事もまだはっきりとしていない

起きているとああだこうだと考えてしまうからもう布団に潜り込んむと、

携帯のメッセージの音が鳴った


「………あ、」


画面の着信表示を一目見ただけで、胸がキュッと掴まれるようだ

このタイミングで七瀬くんからのメッセージだ


ゆるふわウサギキャラで【疲れたぜぇ】とか言ってる毒舌スタンプがついて


「ははっ、何これ」


そっか、今日は残業だったんだ
これもきっと私がプロジェクトから抜けたせいでもあるんだな、きっと

………でも…

今日の古坂さんが重くて頭にのしかかる

『要するに今主任は七瀬に遊ばれてるってことです。言っときますが、七瀬と遊びで付き合ってるのが自分だけだと思わないで下さい』

『私に七瀬を返してくださいっ』

その言葉って、要するに以前二人は遊びで付き合ってて、古坂さんが本気の告白したら振られちゃって
でもってその次の遊び相手が私に抜擢されちゃったってこと?

え? え?

じゃあ最悪じゃん
遊びでしか社内恋愛しないなんて、チャラッ?!

私だまされちゃってるわけ?


「……………」

いや、そもそも私だって本気で付き合ってるなんて思ってないし

こうなったらさっさと縁切って古坂さんの写メ消してもらえばいいだけだ






【もしかして、もう寝てる?】


まだ寝るには早い時間だし、向こうにも私の既読がついちゃってるけど、
どうしようもなくモヤモヤしながらどう返そうか考えている間に、向こうからそう返ってきて、

タッタッタッと一度打った文字を消して、書き直した



【こめん、週末予定がはいったから、家にはこないで】




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