七瀬クンとの恋愛事情
「………はぁ〜」
何となく身体が重い、多分考え過ぎて眠ったのか眠ってないのかスッキリしない気分だ
いつもならミルクティーが定番だけど、今日は微糖のコーヒーにしようか……と会社の休憩コーナーの自販機の前で人差し指を止めていると
ガコンッ
触れていないのにミルクティーが落ちた
「……あ?」
自販機の前で立ち止まる私の背後から、身体を屈めてそれをとりだした七瀬くん
「はいっ」
「え、あ………どうも」
差し出されるミルクティーを受け取るつもりで手を出すが、渡される前にズイッと顔を覗き込まれた
「何か顔、疲れてないっスか?」
「!」
不意打ちで近付いてきた七瀬くんに思わず身体を引くと、クッと肩を揺らしながらいつも私が飲むミルクティーを渡してくれた
二人でいるところを他の人に見られていないか
つい、キョロキョロと辺りを気にすると、
「座らないんですか?」
自販機の隣にある『ほっとコーナー』の長椅子に自分のコーヒーを買って、長い脚を投げ出し座る七瀬くん
その隣のスペースに座るように、ポンポンと促された
「…………」