七瀬クンとの恋愛事情

「で、蓋を開けたら変態野郎だったって訳か」


「……………」

メールの件でも、自分が忙しいから敢えて私に気遣ってなんだろうと思っていた。
それ以外は本当に普通だったし


直接会ってデートしたのは6回くらいだったか

付き合っていれば遅かれ早かれそうゆう関係を求めらるもんだし、

はじめから結婚を前提に付き合っていた訳だからと、いざ応じることを了承して、ホテルの部屋に入った

が、

そこでまさかの彼の本性が現れた


「なにされたのか、聞いていい?」

握りこぶしにした手にギュッと力を入れて、肩を上げた

そしてその事に、ふるふると首を振った


「逃げてきちゃったから………」



所々破れたセーラー服を目の前に見せられて、着て欲しいと懇願された

「サイズ的に君に似合うはずだから、ねっ!」

その他にもいろいろな制服を広げてきて、
それらを着て、とりあえず写真も撮りたいと笑顔で言いながら、付属品に手錠を見せられた時には身震いがした

もちろんそんなこと断ったら急に逆上されて、今までの優しかった顔とは逆に、目を釣り上げ罵られた

もう、悪夢でしかなかった


思い出したくなくて、頭を下げて思わず耳を塞いだ

「倫子さん?」


「君みたいな奴は、マニアじゃなきゃ受け入れられないだろって……」


ショックだった
言葉に出すと、余計に気持ちが沈む

『そのままでいい』と言うのは、ただ単に彼の変態な性癖に私が調度よかっただけ


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