七瀬クンとの恋愛事情
「それはそうと松原、朝イチでミーティング出来るか?」
そのまま部署の自分のデスクに向かう前に脇谷くんからそう引き止められた
水嶋建設に関する引継ぎの件だ
「あ、うん、分かった」
大幅に変更された分内容は縮小されたものの、プロジェクトから外された私の今までの資料や計画を脇谷くんが引き継ぐ事になった
だから、逆に彼はまたとてつもなく忙しくなるのだ
「なんなら七瀬も一緒にまとめてヒヤリングするか?」
チームは脇谷くんへ吸収され、七瀬くんも彼の下に付くことになる
従ってこれからの業務内容は脇谷くん主導だ
その話合いに私が一緒にいても仕方がない
「ううん、私は直ぐに終わるから七瀬くんはその後別でいいんじゃない?」
「そう?」
30分ほどのミーティングを終えて、とりあえずひと息ついた
「しかし、松原もっと落ち込んでるのかと思ってたけど…」
ブレイクタイムにはちょっと早いが、コーヒーを入れた
「ん?」
「結構しっかり計画案まとめてだろ?それがほとんど白紙かやり直しでさ」
「まぁ、仕方ないかな今回は………」
理不尽さが多すぎて諦めもついた
「それに、これから高科課長と花菱商事の紹介してもらった案件の打ち合わせもあるし」
「ふぅん」
打ち合わせ終わった資料を簡単に片しながら
コーヒーを啜る
「で?」
「ん?」
ゆっくりと頬杖をついてこちらを覗き込む
「高科課長といつからそんな関係だったの?」
「う″っ!」
思わず吹き出しそうになった