七瀬クンとの恋愛事情

突然何を言い出すかと思えば

「水臭いだろ?2人の事内緒にしとくとか」

「ないわよ、何にも」

大体、報告し合う義務はない


「噂では見合いからの略奪愛、みたいなことがあったって聞いたけど?」

「う、それはだから………」

同期だし、たまの飲み友で仕事上以外でも高科課長との共通点のある脇谷くんだけど、
その顔は明らかに面白がってる


「まぁ、どうせ高科課長の飛び入り独断だろうけど、違うか? あの人、松原の事になるとやらかすからなぁ………」

結局全部お見通しだよ
時々やっぱりエスパーかと思うくらいだ

「で?」

「は?」

まだ何か?


「今回は真面目に告白からのプロポーズまでされちゃった口だ」


「うっ!!」

もうコーヒーがのどを通らない
終始ニヤニヤと悟られている


「……まあ、ね。でも勝手に噂が進んでるだけで、そうゆうんじゃないからっ」

カンのいい脇谷くんに隠しごとは出来そうにない

「ふぅん、でも俺が前に言った通りだろ?あの人結構本気だって、このままどうする?」


「………….」


七瀬くんとの事がなければ、こんな噂は鎮まるまで無視するだけだったけど

「結果的に課長との事は悪い話でもないし、このまま話に乗って付き合ってみれば?」

「はっ?」

また、そんな無責任な事をさも自分だけ面白いお芝居でも観ているみたいに、普段は見せない様なニヤけた顔で言う脇谷くん
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