七瀬クンとの恋愛事情
ずっとあの大通りでのキスから、会社でもそっちから避ける様に顔を合わせる事がなかったから、さすがにもう諦めてくれたのかと思っていた
「何が?」
少し素っ気ない俺の態度に、はぁ…っと溜め息をついた
「あの時は私だってそれなりに勇気出しきったのよ…確かにやり過ぎたけど」
そう言ってうな垂れた
その後プクッと頰を膨らませ
「振った女の暴走くらい笑って許しなさいよっ」
俺の二の腕をグーで小突いてきた
「今度は逆ギレかよ?ったく古坂らしいな」
前から古坂とはこんな感じの付き合い方だ
そんな今日の古坂は、本来の明るいいつもの
同僚としての彼女だった
「そんな事言って、明日は休みだし、どうせこれから彼女のうちにまたお泊りなんでしょ?」
「………それだったら、初めから飲みになんかこなかったよ。今日はキャンセルされた」
いきなりイタイところを突かれ、つい口を曲げ
酒は控えようとしていたが、思わずグラスビールを一気に飲み干した
「ふぅん、でも七瀬来週から忙しくなるんでしょ?彼女に会う時間しばらくなくなっちゃうんじゃない?」
………だからこの休みの間はちょっと出かけようかと計画立てたりしてたのに
「向こうにも予定があるから仕方ないだろう」
まさか本当に親がくる部屋になんか顔出せねぇし