七瀬クンとの恋愛事情
その後は、襲い掴まれた手から抵抗して、なんとか逃げ出して、
すぐにこの先付き合えないとメールして、あとは着信拒否して、
まさか家に押し掛けてくるなんて………
「俺今日、ここ泊まってもいい?」
「えっ?!」
立ち上がって、徐に窓のカーテンをめくり、外の様子を覗いた七瀬くん
「もしかしてまた戻って来るかもしれないし」
「あ、いやでも…」
「倫子さん1人暮らしだって分かっててあんな物もってきたんだろ?あの男」
「う……ん……」
確かに
でも、これは自業自得ってやつだ
思いきり肩を落として、溜め息をつくしかない
「七瀬くん、ありがとう…………でもやっぱり大丈夫だから」
せめて後輩に迷惑だけはかけたくない
「こうなったのも自分のせいだし、もしいざとなったら警察に…」
「何言ってんの?倫子さん」
窓の外を伺っていた七瀬くんがそのまま私の正面まで近づいてきた
「それなりに被害がないと警察なんて動かないし、それに」
瞬時に手首を掴まれた
「解けますか?」
「えっ?」
掴まれた片手首は決して力を入れている様でもないのに、引いても振り回そうとしてもビクともしない
「じゃあ、これは?」
掴まれた手首をグイッと引っ張られ、簡単に彼の腕の中に
「!!!」