七瀬クンとの恋愛事情
「じゃあ、後で着替え置いとくね」


とりあえずそう言うと、一度ピタリと止まって半分こちらに顔を向けた

「ありがとう。倫子さんは先寝てて、俺暫く仕事してるから」

「………うん」

バタン、とバスルームの扉が閉まるとシャワーの水の音が静かな部屋に響いた


余計なことだったのだろうか………?


コーヒーメーカーのセットをしておいて、いつでも飲めるようにして私だけベッドに潜り込んだ


少し経つと戸を挟んだ隣の部屋から書類を捌く音やパソコンの叩く音が静かに聞こえて、ジッと聞き耳を立てた

いつまでやるつもりだろう
終わったらベッドに潜り込んでくるだろうか


そんな事を考えて眠れないと思っていたのに

……いつのまにか寝てしまっていたみたいだ



朝、いつもの携帯目覚ましで目が覚めると、シンっと静まり返った部屋

隣の戸を開けると、キッチンにはコーヒーメーカーとカップがが洗って片付けあった


『鍵はボックスにいれておいた』とメモ書きだけ、残してあった

ベッドに入ってきた形跡はない


「………………」




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