七瀬クンとの恋愛事情
「飲みにでも行かないか?今度」
「えっ?」
打ち合わせが終わり資料を片付けていると、高科課長から誘われた
噂が広まってから極力仕事以外で一緒にいる事をお互い避けていたのに
「飲みに……ですか?」
二人で?
「いや、花菱の加納さんと打ち合わせ後に。俺は退散するから女子会したらいい」
「加納さんと?」
「向こうからどうかって、直接言えばいいのに倫ちゃん最近誰も寄せ付けないから」
あ………私、結構顔に出るんだ
七瀬くんを避ける事で、他の誰からの誘いも断っていた
たとえそれが女の子たちでも
飲みに行く気分でもないし
「何だかわからないけど、考え過ぎも良くないよ。まぁ、俺が原因かもしれないが…
社外の人間なら気兼ねする事ないだろうし」
「そう……ですね。すみません気を使わせてしまって」
そう言う私に少しムッとしながら、大きな手が伸びてきて久々に頭をぐしゃぐしゃと搔き毟られた
「わっ!」
「少しあの人の元気貰ってこいっ!実際加納さんは花菱で役職ついた上に結婚して子供もいるし、旦那とは社内恋愛だ」
「………へっ?」
くしゃくしゃになった髪のまま顔を上げた私から手を退かし、自分の席に置いたファイルを持って正面から見据えられた