七瀬クンとの恋愛事情
「加納さんほどパワフルになられても困るが、女性の立場ってもんはいろいろあるだろ?
解決してかなきゃ前へ進めないと思うがな、違うか?」
「…………」
そうだった
私は何も解決しないでこのままやり過ごそうとしてたんだ
「あの人の話が参考になるかはわからないが」
「いえっありがとうございます、行きます」
「じゃあ、O Kの返事しとくから飲み過ぎるなよ」
「はい」
何となく楽しみが出来たような気がする
それに、周りにも気を使わせていたなんて気づきもしないで………
「今週金曜の夜、打ち合わせ後に前行った居酒屋予約しておいたから」
前に行ったちょっと和風レトロな居酒屋で脇谷くんと3人で行ったところだ
今回は加納さんとプライベートの飲み会だけど、課長が何かと手を回してくれた
一応相手は取り引き先の人だからだと思うが、私のためでもあるから申し訳ない
打ち合わせしている時も、高科課長はなかなか加納さんには頭が上がらないらしい
なんたってやり手のキャリアウーマンだ
担当があの脇谷くんだった時も見事な種案で仕事を進められたと聞いている
私から見たら尊敬を通り越して神様だ
とは言え、家では立派なお母さん
あんまり遅くまでは引き止められないだろ
「はい、楽しみにしてます」