七瀬クンとの恋愛事情
「最近松原さんが社内でいろいろゴタついて、元気がないって高科さんに聞いたから」
「え、」
「年上のアドバイスが必要なら高科さんでもいいのにって言ったら、
『僕ではダメみたいで…』って言うんだもの、本当は一番松原さんを心配してるのは高科さんだと思うんだけど」
「…………」
確かに、たぶん私が一番迷惑かけてるのも高科課長だ
「この間みんなで飲みに行った時から、だいぶ二人の雰囲気が変わったな〜って思ったのは気のせいかな?」
私の顔を覗き込むように付き合わせてきた
「…………う」
好きだと言われて意識しない訳もなく、仕事も最近では一緒になることが多い
それでいて変わらないまま何も答えようとしてないのは私の方なんだ
自分の事ばかりいっぱいいっぱいで、そんな心境が態度に出てしまっているかもしれない
「場所の予約から、コース料理で代金支払い済みなんて、気の使い過ぎだし、どこまで尽くすタイプなんだろうね、彼は………」
「えっ、もう支払い済みなんですか?!」
場所の予約や段取りは任せろと言ってくれたので、すっかりお任せしてしまったが、経費じゃなくて払い済みってことは課長の自腹?!
「だから少し彼に頼ってあげてよ松原さん、私としては高科さんってかなりオススメ物件なんだけどね」
「…………あ」
分かってる
高科課長は、一見チャラけているようでも、
真剣に話を聞いてくれる人だ
分かってる………けど