七瀬クンとの恋愛事情
また
ちっさい俺のプライドが喉元を熱くさせて、言いたくもない子どもじみた意地を張る
「そっか、倫子さんがそう思うなら仕方ないないですね、わかりました」
無理させたのか、少し辛そうな倫子さんをベッドに押し戻す
「……………っ」
彼女の目が俺をみて揺れて、もしかしてやっぱりって
そんな言葉を待ってみても否定は返ってこない
「そもそも俺たちの関係ってそんなもんだった、だろ?」
彼女の肩に布団を掛けて心許ない笑顔をみせる
「そう……ね、でもっ」
「………倫子さんの言う通りにするよ、もうここには来ない。困らせたくないし」
そう言った俺に、ベッドの中で頭を下げ視線を背けた倫子さん
「もう寝た方がいい、まだ明日も休みでしょ?ゆっくり風邪治して………」
「…………」
本当にこれでいいのか?
言った事を後から後悔するとわかっていながら、俺の小さなプライドが邪魔をする
帰ろうにも、いつの間にか寝過ごしたため終電もない時間だった
「悪いけどシャワー借ります。その後俺は適当に帰りますから」
ベッドから離れて、少し突き放した言い方をした
一瞬、伸ばされた倫子さんの手を横目に無視してバスルームへと彼女に背を向けた
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