七瀬クンとの恋愛事情
「………かちょうっ」
上手く声が出せない私を心配してくれる課長は優しいのに私は
こんな私のことを心配してくれて
それなのに私は……
「……いたい、です」
思い出して苦しくて仕方ない
頭でちゃんと理解してるのに、調子の悪い身体のせいでコントロール出来ない思考と涙腺が止まらないんです
『泣いてるのか?どうした、倫ちゃん』
「………ごめん…なさい…」
ぐずぐずと息を殺しても上がって引きつける声を抑え切れなくて
「ごめんなさい、かちょお…わたし、考えるって言った、のに……だめみたいです」
『……………』
なのに私はまだ自分のことばかりで寂しくて苦しくて
ずっとこんな気持ち、引きずりそうなんです
高科課長
ほんとに、ごめんなさい
*
結局
暫く熱が下がらず、体調を整えるのにそれから4日かかって
「いろいろありがとうございました」
「もう大丈夫か?」
その間、心配して何度もメールや電話をくれた高科課長
「万全です。すみませんでした」
それからは
「七瀬さーん、外線1番です」
あれから、相変わらず忙しそうに立ち回る七瀬くんを横目に、
同じフロアーにいながら携わる案件の違いから、存在を感じながらも言葉を交わす機会さえなく
勿論、私の部屋にも来なくなった
大丈夫
考える時間は充分あった
それから暫くして、私は高科課長への答えをだした
「高科課長、改めて私と付き合って下さい」